2016年08月07日

近代化の圧力が強まるサウジアラビア

1月16日、イランが米国など6カ国と”核合意”に達したことで、イランに国際社会へ復帰する機会が与えられ、今迄自国の後ろ盾となっていたにも関わらず相対的に中東における自国の地位を低下させたアメリカに、サウジアラビアは怒っています。サウジは中東・湾岸諸国の中では20世紀に建国された新しい国で、国民はもともとアラビア半島の内陸部で暮らす砂漠の民だったことから、数千年の歴史を有するイランとは国の成り立ちが全く異なります。

サウジはサウード家出身の王族が君臨し、石油などの地下資源から得られる莫大な収入を国民に配ってきた典型的な分配国家で、近年のサウジは王族の一部がアル・カイーダや「イスラム国」などのイスラム原理主義組織に資金援助をしていることでも知られ、そして反イランで連帯するバーレーンやスーダンなどにも資金援助するほどの財力を誇っていますが、その立場を維持できるのも世界最大級の石油産出国だからであり、現在の原油安が続けば財政危機に陥る懸念があります。

仮に財政を維持できても、いずれイランが国際社会の信用を得られるようになれば、比較対象として例えば女性は自動車の運転が禁止されているだとか、サウジ人は大学までの教育費や医療費が無料で住宅も提供してもらえるだとか、若者の失業率が20~30%でありながら肉体労働やサービス業は外国人労働者任せでサウジ人は働く必要がないというような、サウジ社会の特殊性が浮き彫りになってきます。イランという強敵が顕在化した今、外国からの近代化の圧力は強まることになります。
タグ:国際情勢
posted by 河野 at 14:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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